2026年7月15日制定
第1条(目的と専門家としての基本姿勢)
本ルールは、ちょっとITプロジェクト(以下、「本プロジェクト」)において各コンサルタント(以下「メンバー」)が生成AIツールを安全かつ効果的に活用し、クライアントの機密保持、コンサルティング品質の担保、およびプロジェクトの信用維持を図ることを目的とする。
経営コンサルティングの特性上、メンバーは生成AIの出力を鵜呑みにせず、常に専門家としての知見に基づき検証した上で、自己の責任においてアウトプットを使用しなければならない。
第2条(利用可能なツールとセキュリティ設定)
1.多種多様なツールの利用とオプトアウト(学習拒否)の徹底
業務効率化およびハルシネーション抑制のため、メンバーは任意の生成AIツール(ChatGPT、Claude、Gemini等)を複数組み合わせて利用することができる。ただし、いずれのツールを利用する場合も、クライアントの業務に関する情報を入力する際は、必ず「入力データがAIの学習に利用されない設定(履歴オフ、オプトアウト申請、有料プランのプライバシー設定等)」を徹底しなければならない。
2.無料版・個人アカウントの制限
入力データが学習に利用される標準的な無料版ツールをそのまま使用する場合、次条に定める「機密情報」に該当するデータは一切入力してはならない。
3.共通アカウントへの移行
将来的に本プロジェクトとして有料の共通AIアカウント(ChatGPT Teamプラン等)を導入した場合は、原則として当該共通アカウントを使用するものとする。
第3条(入力禁止情報と「秘匿化」の徹底)
クライアントの重大な経営情報を保護するため、以下の情報をそのまま生成AIに入力することを固く禁じる。
具体的な識別情報:クライアント企業名、代表者名、従業員名、取引先名、具体的な所在地。
未公開の財務・経営情報:決算書、試算表、税務データ、売上予測、新規事業計画、M&A情報、固有のビジネスモデル。
人事・労務情報:給与データ、人員配置計画、労働問題に関する個別具体的な相談内容。
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【重要】実務における「秘匿化(マスキング)」の義務
AIを利用して経営分析やアイデア出し、クロスチェックを行う場合は、必ず以下の例のように情報を抽象化(プロンプトのダミー化)してから入力すること。
不可: 「○○株式会社(売上3億円、東京都)は製造業で、後継者不足に悩んでおり…」
可能: 「地方の製造業(売上規模:数億円、従業員:数十名)における、親族外承継の一般的な課題と対策について…」
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第4条(品質担保とワークフロー回覧)
1.ファクトチェックと最新情報の検証
複数ツールを用いたクロスチェックはハルシネーション抑制に有効だが、全ツールが同時に誤った情報を出力するリスク(同一の学習データに起因する誤り等)もある。メンバーは、最新の法律、助成金制度、公的施策の要件等について、必ず公的情報(中小企業庁、各省庁、自治体のHP等)での最終的な裏付け調査を行わなければならない。
2.事後回覧時の明記
提案書や報告書などの最終成果物を事後ワークフローで回覧・共有する際、主要な提案根拠やデータ算出に生成AIを利用した場合は、その旨(利用したツール名や検証内容など)を回覧時に付記するものとする。これにより、プロジェクト全体でのノウハウ共有とリスクの相互チェックを図る。
第5条(責任帰属と賠償責任保険)
1.最終責任の所在
万が一、メンバーがAIを用いて作成した成果物に起因してクライアントや第三者との間でトラブル(著作権侵害、誤情報による損害など)が発生した場合、当該パートを担当したメンバーが一次的な責任を負うものとする。
2.賠償責任保険への加入推奨
メンバーは、予期せぬ情報漏洩や専門業務上の過失による損害賠償リスクに備え、各自で「コンサルタント賠償責任保険」や「個人事業主向け賠償責任保険」等への加入を強く推奨する。未加入のメンバーがトラブルを起こし、プロジェクト全体や他のメンバーに損害が及んだ場合は、当該メンバーがその全額を負担するものとする。
第6条(クライアント対応と契約への適応)
1.クライアントからの要求への対応
クライアントから生成AIの利用有無に関する開示請求や、利用禁止の特約(NDA等の改定)を求められた場合、メンバーは直ちにプロジェクト全体に共有し、クライアントの指定に従うものとする。
2.成果物の著作権
AI生成物に関してクライアントから著作権の帰属を問われた場合、本プロジェクトの基本契約、または個別契約の定めに従うものとする。
第7条(インシデント発生時の報告)
メンバーは、クライアントの機密情報を誤って学習型のAIに入力してしまった場合、または成果物に関してクライアントから指摘・クレームを受けた場合は、遅滞なく本プロジェクトの連絡チャネルを通じて他のメンバーに報告・共有し、組織的な対策を講じるものとする。
以上